VDT症候群

いまやパソコンによる業務はどこの職場でも不可欠で、あらゆる職場にパソコンが導入されています。しかし、その表示・入力装置であるディスプレイやキーボードなどのVDT(visual display terminal)に関連した健康障害が問題になってきました。

このVDT作業に伴う健康障害では、目の疲れ、乾燥、痛み、視力低下、物がぼやけて見えるなどの目の症状や頚肩腕症候群と同様な上肢の障害や腰痛、さらに気分や精神的な訴えもみられます。

そこで厚生労働省から「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」が出され、作業面の明るさや、画面への光の映り込みの防止、連続作業時間の1時間以下への制限と作業休止時間の徹底、椅子や机の調整などの具体的な対策が示されています。

VDT作業の特徴
  • ディスプレイ、キーボード等により構成されるVDT(Visual Display Terminals)機器を使用して、データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング、監視等を行う作業。
  • 座ったままの姿勢で、モニターを注視するため、拘束的作業になりやすい 。
  • キーボードやマウス操作をするため、眼や手の位置が制限されやすい。
  • 単位時間内に大量の情報処理や高度な判断を要求される作業が多い。
  • 単純データ入力作業では、単調感などからくる精神的疲労を生じやすい。
VDT症候群とその症状
  • VDT作業を長時間続けることによって、目・体・心などに現れる症候群。
  • テクノストレス眼症・テクノストレス症候群ともいう。
  • 眼症状・・・目の乾き・痛み、充血感、ぼやける、視力低下、眼精疲労、調節緊張、結膜炎、角膜炎、涙液減少など
  • 筋骨格系症状・・・首や肩のこり、背中のだるさ、首から肩・腕の痛み、足や腰のだるさなど
  • 心身症状・・・頭痛、めまい、だるさ、食欲不振、過食、いらいら感、不安感、抑うつ症状など
VDT症候群の原因
  • 「視作業」と「姿勢の拘束」と「連続作業時間」
  • 画面の注視による眼の疲れ
  • まばたきの減少による眼の乾燥感(ドライアイ)
  • キーボード・マウス作業による手や腕の疲れ
  • 同じ姿勢を続けることによる肩こり、背筋痛、腰痛
  • VDT作業に伴う心理的ストレス(テクノ不安症やテクノ依存症)
  • 長時間の連続作業

グレア・画面への映りこみ

  • グレア(まぶしさ)や画面への映り込みが、眼疲労を増加させる。
  • 窓からの光や照明、画面の文字を明るくしすぎた場合などが、グレアの原因となる。
  • 照明が画面に映り込むと、明るさの調整やピント合わせなどの目の機能に負担をかけ、目の疲れの原因となる。

姿勢

  • 無理な姿勢や、同じ姿勢の持続が肩こりや腰痛などを引き起こす。
  • 椅子が高すぎたり、低すぎたりすると不自然な姿勢となり、筋骨格系の負担が増加する。
  • 作業スペースに余裕がないと、キーボードやマウスを置く場所を自由に動かすことができず、無理な姿勢の原因となる場合がある。
  • ノートパソコンよりも、PC本体・ディスプレイ・キーボードが分離していて自由にレイアウトできるデスクトップパソコンの方が身体への負担は小さいといわれている。
 VDT症候群の予防

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  • 1時間に10~15分程度は画面から目を外し、休憩を入れる。
  • 休息の時は、遠くの景色をみたり目を閉じたりして目を休め、軽く首や肩を動かすストレッチ体操などで体をほぐす。
  • VDT画面は、直射日光を避け、十分に明るく、照明が反射しない場所に設置する。
  • 椅子は正しい姿勢でキーボードのキー操作が負担にならない高さにする。
  • 視線は下向きに(画面をみあげると目の露出面積が広くなり乾きやすくなるため)、画面と書類は同じ距離が理想で、40~50cm程度離す。

 

以上、厚生労働省のガイドラインを中心にVDT症候群の概要と予防対策を見てみました。要点としては、椅子・机・機器の位置や作業姿勢を改善し、作業時間を適正にして十分な休憩時間をとることになります。VDT作業の特性を啓蒙し、休憩を取りやすい雰囲気を作ることが大切です。